劇団テアトルジュンヌ65周年記念公演

バラッド
または、
地平線の上で
呼吸する
旅人の話

第二回座談会
~役者編~



質問者
伊佐間 菜摘
(3年 役者兼制作)

参加者
伊佐間 菜摘(3年)

    森 夏子(1年)

    増田 承太郎(3年)

    永田 光(2年)

    松原 光音(3年)

    浦田 健太郎(4年)

* * * * * *
―――稽古場の雰囲気はどんな感じ?
永田:リラックスできる、アットホーム感があるのかな~
伊佐間:良い意味で、気を遣わずに居られるよね。
増田:居心地は悪くない!自然体でいられる。あとはメリハリもちゃんとあるというか、稽古するときは稽古するし、お菓子食べるときはお菓子食べるし、遊ぶときは

遊ぶ、という…
伊佐間:みおつん(松原)とかは?連続して役者やってるけど、各稽古場の違いも踏まえて…
松原:めっちゃ真面目!あと想像力が豊かだなっていう。最初のウォーミングアップでいろんなことに挑戦してて、そういうのがこれまでの稽古場にあまりなかったなって。
伊佐間:浦さん(浦田)はあります?4年目ですけど、
浦田:学年とか役者の実績関係なしに、各々が根本的な課題があるから、そこを見つけ出していくのが面白いし、みんながそれに向かって試行錯誤しているのがとても良いかなっていう。かつ、演出の方向性と脚本のテーマとしても一つの到達点に向かって、みんなで

協力して歩んでいくことにすごく一体感があって、やりがいのある舞台かなって思います。
:そうですね、第一印象は、みんな穏やかそうだな~って。今それが変わったってわけではないんですけど、演技とか練習とかやってみると、みんなそれぞれの個性というか、いろいろあって面白いです(笑)。みんな頑張っているから、私も頑張ろうっていう、間接的に応援されているなっていうのを勝手に感じています。

一同:おお~~!!

永田:高め合える稽古場ってことですね。
増田:学ぶことは多いよね~結構、(役者それぞれ)タイプが違うから。
伊佐間:前に稽古場ブログで役者紹介をしてくれたじゃん。あれ見て、確かにみんな違うなっていう。
永田:みんな違って、みんないい(笑)
浦田:個性的にはごった煮感があるけど、まとまってるよね。
増田:確かにそうだよね、性別・学年と色々違うけど、ある種、えいた(永田)のいうアットホームに帰結するんだけど一体感がある。

―――今回の公演の劇の魅力とは?

伊佐間:劇の魅力は、人間が人間らしく、きれいごとじゃないみたいな。劇だからどうしても、きれいごとに書いても劇だしって思っちゃうけど、今回の劇は(人の)嫌なところもちゃんと出てるから、観る側も「劇だから」っていう目で観てしまうことがない気がする。確かに架空の話だけど、お客さんが自分と密着して考えられるという。っていうのがこの劇の魅力かなと思います。どうでしょう皆さん?
増田:それこそ10月とか演出やって、演劇を作る側でやってたわけなんだけど、今回の脚本に出てくるキャラクターってさ、すごく地続きの人間なのよ。演劇って演劇に存在する人間ってあるじゃん、やっぱり。じゃなくて、生活感があるというか、我々の人生にいるし、もしかしたら自分かもしれないって思うくらいの、そういう生々しさをもったキャラクターたちがいて、それがすごく楽しいなって思うの。よくある演劇とかで発生するキャラクターに対しての共感性がより生々しいというか、この劇は。それが楽しいし、単純に役者として通しとかやっててむちゃくちゃ楽しい台本だなっ

て思う。
永田:二人が言った通り、寄り添えちゃうなっていうか、俯瞰して観るんじゃなくて、観ててキャラクターに寄り添っていく感じが、魅力ではないかと。
浦田:個人的には、変わるものと変わらないものっていうのが自分の中に、もう一つのテーマとしてあって、そういうものをテーマにした小説とか割とあるんだけど、実際そういうのを演じてみるとなると、自分自身の役の変わっちゃったところとかに自分でも結構戸惑ったり、傷ついたりして、だからそういう何気なく変わってしまった部分も言葉を大事にして、伝えていきたいっていう風な心掛けはしています。
:今出てたように、キャラクタ

ーが生々しいというか、演じてても自分と重ねるっていう言葉とは違って、なんだろう…重ねるというよりも…
永田:追体験?
:そうですね、そういうものかなって感じるところがあって。演じてても楽しいし、観てても楽しいと思います!文学的で、きれいじゃないものを描いているし、世界はきれいじゃないと思って(台本を)書いていると思うんですけど、すごく劇として綺麗というか、美しくないけど美しいって。

一同:ああ~~

増田:それはすごく感じる。
松原:最初さまいーちゃん(伊佐間)が言ったような生々しさっていうのと同じかもしれないけど、結構どの役も劇を観た人全員が(実際に)いるだろうなって思えるのが魅力だと思うし、あと人間的な愛情を感じた。世に出回っているものだと主人公などがちゃんとしている人とか、最終的に努力してる人みたいなものが多い気がするけど、(この劇は)どうしようもない人たちにも焦点を当ててくれているから、良いなって思います。
伊佐間:確かに…どうしようもない人間にもっていうのがめっちゃ

わかる。
浦田:自分はどうしようもないと思ってしまう人にこそ見てほしいですね。

―――では最後に、意気込みをお願いします!

伊佐間:さっきあったように劇の魅力を存分に出せるように、、来月の半ばにはもう公演なので、詰めて、お客さんに(上記のような)そういう風に見てもらえる劇を全力で作っていきたいと思います。
:個人的な話になっちゃいますけど、結構限界に挑戦しているところが自分の中にあって、なんだろう…限界を超えたい!限界をちょっと超えるくらいの頑張りをしなきゃいけないし、したいと思うしっていうところです。今までの自分よりちょっと上へ行けたらいいなっていう意気込みでやってます。
浦田:自分が役者をしてきた中で、自分自身のキャラクターにちょっと背中を押されたり、救われてきたところが、今までやってきて感じているし、実際そうだったんですけど、今回自分が演じているキャラクターで誰かの救いになれたり、誰かを肯定してあげられるような、できるかどうかは別と

して、気持ちとしてはそういう風に演技していきたいなと思っています。
増田:そうですね~これがちょっとした区切りなんですよ、今回のが。自分これが終わったら、就活だったり、教育実習だったり、色々忙しくて、しばらく演劇ができない期間が続くので、とにかく悔いが残らないように、役者として考えたいですね。台本だったり、この劇が伝えたいことだったり、僕が演じているキャラクターはどういう人でどういう人生を歩んできて、どんな死に方をするんだろうなっていうのを全部考えて、台本と寝食を共にし、やっていきたいなっていう風に思ってます。これから本番まで、頑張ります!
伊佐間:頑張りましょう、3年!確かに私も演劇をしばらくできないので…
松原:初心を思い返してみたんですけど、覚悟をもって、この12月公演挑もうと思って。漠然と変わりたいなって思ってジュンヌに入ったんですけど、自分に自信が持てるくらい全力出して頑張ってできたらいいなっていうのがあります。あと自分の役にとても思い入れができたので、どうにかあと本番まで、役の魅力を出していけたらいいなって思います。

永田:一応65周年記念という節目の公演っていう感じになってて、それをとみさん(作・演出)がやるということだったので、やっぱり、ここでつまずきたくはないなっていうのがあります。それで代が変わり、ジュンヌ(劇団テアトルジュンヌ)を引っ張っていく代になって…結構私的にはジュンヌからとみさんが卒業するってことが大きいことだなって思っているので、とみさんから色々なものを得て、ジュンヌが衰退していかないようにできたらいいなって思っているし、それに乗じて私も成長させてもらいたいなって思っています。
伊佐間:12月公演でもあるし、結成65周年記念で観に来てくださる人もいるかもしれないので… 増田:あれだね、未来につながる公演にしたいですね。
伊佐間:うん、衰退していかないように今後盛り上げられるような公演にしていけたらいいですね。

一同:頑張りましょう!!