劇団テアトルジュンヌ65周年記念公演

バラッド
または、
地平線の上で
呼吸する
旅人の話

第一回座談会
~スタッフ・作演出編~



質問者
橋本 季拡(三年 制作)

参加者
冨山 望
(四年 作・演出)

神先 綾乃
(二年 照明兼webチーフ)

木内 優佑
(二年 音響チーフ、舞台美術)

本宮 彩香
(二年 衣装・メイクチーフ、舞台美術、映像)

富永 茜
(2年 宣伝美術チーフ)

  * * * * * * 

橋本:今スタッフで進めていること、これから進めることを教えてください。
本宮:衣装メイクとしては、今回特殊なことをしています。作品の中に、三つの時代があるから、大変ですね。まだ、衣装はできてい

ないですけど、それぞれのキャラクターが徐々に固まってきているから、今後合わせていきたいですね。
冨山:本当に申し訳ない、早く書けよっていうみんなのオーラを感じる(笑) 早く書きます! 実際、照明と音響の2人もそういう不満あると思うなあ…(笑)
橋本:…実際どうなの?
木内:実際そうですね。作演から指定された曲は作業できますけど(音響として)、未定の箇所は、仕事に優先順位をつけられないから、困っています。(笑)ただ、確定しているところは、いつでも流せます。いまの仕事は急ピッチで進めて、作演さんの急なお願いに対応できるようにしたい。

冨山:補足でいうと、今回はサンプリング的な音楽の使い方をできるだけ多くしています。それこそ30年代のジャズとか、多目に使おうと思っています!
木内:まぁ、基本的に音響は社畜精神を持ってるので、やれと言われたらやりますよ(笑)
神先:照明は、スタ入りしてからが本番みたいなところがあります。
ただ、この前、今まで使ったことのない「部室で長い間眠っていた灯体」を引っ張り出したので、照明は今までとは違う、冒険をしますよ!
橋本:へぇ…そういう今までと違うことをしたいと思ったきっかけは?
神先:それは、作演の希望で…
冨山:いや~まあもったいない精神なんですけどね(照れ笑い)
神先:(照明は)女二人ですし重くて吊るすの大変なんですけど、頑張ります!光量が全然違うので印象がだいぶ変わりますよ。
富永:宣美(宣伝美術)は、大体のデザイン案はなんとか終わってます!立て看板もパンフレットもチケットもスケジュール的には順調です!
 でも、若干不安なことがあって…今回、公演Tシャツをつくろうという試みがあるのですけど、

そのデザインも任されていて…Tシャツをデザインするのが初めてなので…
橋本:そのTシャツはどんなの?
富永:本公演用のTシャツで、作演のアイデアで作ることになりました。
冨山:みんな買ってねー
富永:デザインは、「学生演劇っぽくないフライヤーをつくる」「生命力のある動物を使う」というコンセプトで、シンプルだけど迫力のある仕上がりになっています。
神先:ちなみにそのデザイン案はwebで結構高評価をいただいていますよ!公演前の宣伝の伸びがいいんですよ、今回。公演前なのにコメントもらって、フライヤーもほめていただきました!
橋本:なるほど、では変わって、スタッフさんと作演さんから見て、この公演をどう思っているのかを教えてください。
本宮:衣装メイクとしては、今回はめちゃくちゃやりがいがあります。3つの時代があって、登場人物が20代のころから40代のころまで描きます。同じ劇中なので大きな着替えはできないがちょっとずつ印象が変わるように表現をしたいと思っています。年齢だけでなく、置かれている立場、職業の変化も見せるようにしたい。最初

に作演からリクエストを受けた時はどうしようと思ったけど、具体的に聞いたり、役者が稽古している時に彼らからフィーリングを聞いて、試行錯誤をしていくのがすごくやりがいがあって楽しいです。あと、今回映像の部署があって、それも無茶苦茶面白い。実際にやるのは、映像側と役者側が力を入れなければいけなく難しいけど、個人的にすごく楽しみです。
橋本:映像の面白いっていうのを一言でいうと・・・?
本宮:ストレンジャー・イン・パラダイス(2018年10月公演)のときは、文字をスタジオの後ろに映していたけど、それがレベルアップしているという感じです!
神先:今回照明とwebでチーフ

をしています。そして私は「チャレンジすることが多い公演」だと思っています。先ほどの灯体しかり、ウェブでもツイッターを今回は今までとは違うようにめちゃくちゃ動かしています。大変といえば大変ですけど、今回うまくいけば、今後のジュンヌももっと良くなると思っています。だからそのための重要な公演に位置付けています。そして新しいことを取り入れて65周年にふさわしいものになると思います!
富永:宣伝美術としては、「こだわりの詰まった作品だなあ」と感じます。それはデザインの細かい書き直しなどから感じます。劇自体もそうなっているので、とみさん(作・演出)の4年間の集大成が見られる気がします。だからできる限り、作演のニュアンスに沿うように努力します。
冨山:ありがとう!
木内:僕は、本公演は緩急があって冨山さんらしさがすごく出ていると思います。音響に関して言え ば、作演さんとしての好み、コンセプトがしっかりとしているから、曲の調子で劇の雰囲気が表せると思っています。
橋本:ありがとうございます。最後に作演さん、この作品にかける思いを!

冨山:大学の演劇、それはプロではないが、素人ではありません。アマチュアです。僕はアマチュアだからできる演劇ってあると思うんですよね。めちゃくちゃ実験的だったり、尖っていたり、可能性がめちゃめちゃあるんですよ。そのうえで、今回はスタッフの皆さんにめちゃくちゃ無茶ぶりをしてしまっています(笑)。それでも、可能性を広げるために妥協をしたくありません。それをスタッフもわかってくれていると思います。スタッフのみんなに頑張ってもらいつつ、自分も台本と演出を頑張って、もう少し一緒に頑張ってほしいと思います。
橋本:作・演出から、読者へメッセージをお願いします!
冨山:今回は、3つの時代に分けられたクロニクルの形式で「人生賛歌」というものをつくろうとしています。対話や人間らしさを芝居で表現ができればいいなと思っています。ぜひ劇場へお越しください!